

OMLアプリの一連のリーダーシップ・ストーリーの中で、OML/NELISが「変革的リーダーシップの5P」と呼ぶものを説明してきました。
ここでは、最後の「現実主義」について触れようと思います。
現実主義とは、「忍耐強さ/根気」の"従兄弟"ですが、しばしば「情熱」と"対立"するように見えるかもしれません。
しかし、私の経験上、(必要なときに)なければ、現場での真の成果はほとんど得られないのです。
近代インド建国の父、マハトマ・ガンジーは「practical idealist」(実践的理想主義者)と呼ばれましたが、「変革的リーダーシップ」における現実主義とは、おそらくこのような中身なのだと思います。
現実を顧みない理想主義者や、現実問題に対する戦術的アプローチがなければ、ガンジーの純粋さ、情熱、忍耐力は、何ももたらさなかったでしょう。
(ちなみに、ウィンストン・チャーチルは、ガンジーと指導者争いを繰り広げた人ですが、皮肉なことに、理想主義者、現実主義者、演説家、軍人、とも呼ばれています。ガンジーが勝者になった(インドが植民地支配者から独立した)というのが妥当なところでしょう。)
情熱から遠ざかっているように見えるとき、いかに現実主義を実践できるでしょうか?
重要なのは、自身の行動や"バリュープロポジション"を現実に合わせながら、常に大局的な視野を持ちつづけることです。
たとえば、私が2000年に東京で共同設立したサステナビリティ・コンサルタント会社は、顧客も人脈もほぼない状態からスタートしました。
サステナビリティと未来についての信念を説くだけでは、日本企業の顧客をほぼ得られなかったにちがいありません。そして、顧客がいなければ、ビジネスは成り立ちません。
そのため、保守的な大企業を説得し、私たちのサービスを購入してもらう、という日々の仕事をこなしながら、常に大局的な視野をしっかり持ちつづけることにしました。
起業から数年後、私たちは、日立製作所、日産自動車、パナソニックといった、従業員数20~30万人規模の大企業において、環境戦略やサステナビリティ戦略の基礎部分に取り組んでいました。
つまり、私たちの小さな会社(従業員25人)が、大企業に対し、真に変革的な影響を与えたこともあったのです。次第に私は、日本のビジネス界のトップ(CEOら)に会い、影響を与える機会を得るようになりました。
大局を忘れてしまうと、現実主義は、情熱からあなたを切り離し、やがて耐えられなくなってしまうかもしれません。おそらく、ここに秘密があるのかもしれません…。